子どもの成長は「陽」の働き

前回は、「子どもは風の子」という慣用句から子どもは「陽」の性質(上向き・外向き・発散・明るいなど)を有しているという事をお話しました。
今回は、この子どもの「陽」の働きは、心身の成長に非常に役立っているという事をお話したいと思います。

子どもというのは、大人になってからの社会生活を営むために、身体を大きく成長させたり、精神をコントロールする術を日々学んでいく過程にあります。

そのためには、意識は「外向き」でなければいけません。
子どもが、好奇心が旺盛で、大きな声を上げて、よく食べたり、良く動き回ったりするのは、意識が「外向き」に働いている現われです。

また、体を大きく成長させるというのも物理的に外向きに大きくなるものなので、「外向きの力」が働いていることになります。
子どもの生理的行動の原理に、そういった「外向きの意識」、「外向きの力」が関わっていることが分かります。

陰陽の考えに当てはめると、これは「陽」の働きになります。

東洋医学で子どもの心身の成長は、そういった陽的力(外向きの意識、外向きの力)が働いているとされています。
治療をする時はもちろん、子育てをする時、療育をする時にこのことを意識することは非常に大切になります。

鍼灸師 力石 陽平