発達障害の現れは「腎精の不足」にある

イラスト:父親と母親との子ども

東洋医学で発達障害が起きる原因としては、「先天の精」の不足があげられています。
いきなり先天の精と言われても初めて耳にされる方は、ピンと来ないので順序立てて説明をしていきますね。

胎児が体内に宿る工程は、一般的には、父親の精子と母親の卵子の授精を経る事と、皆さんもご存じだと思います。
西洋医学的にみても「精」という言葉が出てきますが、東洋医学でこの「精」という言葉の意味は、”生命を動かす根源的なエネルギー”を指します。
なので、父親の「精子」と母親の「卵子」は、胎児という新たな生命を動かす根源的なエネルギーを含んでいるという事です。

東洋医学的な言い方に変えると、父親の精子を「父親の先天の精」、母親の卵子を「母親の先天の精」と表現します。
生まれてくる子供は、父親の先天の精と母親の先天の精を分け合って、自らの先天の精を体に宿すということです。

先天の精には、大切な役割があります。1つは、生まれてから命を終えるまでの活動エネルギー(東洋医学では、生命の種火と表現します)。2つ目は、心身の成長、3つ目は、生殖能力に関係します。大きく上げるとこの3つになります。

先天の精は、正しい生活習慣(主に食生活)を送れば補われるとされます。
そのことを踏まえて考えると、発達の課題がある子の成長を後押しするのためには、いかに正しい食生活を送ることが重要なのかが分かります。

子どもが大人の体に変わる時期というのは、思春期です。この時期までに成長の糧となる先天の精を大きくするかが発達の課題を乗り越えるためのポイントになります。

東洋医学で先天の精が収まる臓器は、五臓の中の1つである「腎」とされています。
古典には、”腎生髄”(じんはずいをしょうず)という言葉があります。髄とは脳髄の事です。つまり腎は脳とも関係しているという事です。
このため先天的な問題でお子さんに上手く先天の精を継承できなかった場合、発達障害の原因になります。

ハーティラボラトリーでは、上記の先天の精の特徴を捉え、糖質を管理したおやつの提供や腎精を補うことを目的としたスキンタッチ(小児鍼)治療を行っています。

鍼灸師 力石 陽平