東洋医学と発達障害

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現在では発達障害の治療法は複数あり、お薬も幅広くあります。昔に比べて進んできているのは明らかです。
他方で東洋医学はどうなのかと言いますと、「発達障害」という言葉で言い現わされていませんでしたが、「発育不全の病」として捉え研究や治療は古くから中国や日本の大家によって行われていました。

中国の明の時代(1368年 ―1644年)に書かれた「保嬰金鏡録(ほえいきんきょうろく)」という医学書に「発育不全の病」の治療法や漢方が記載されています。「抑肝散(よくかんさん)」という漢方もこの著者である薛己(せつき)氏が考案したものになります。古くから残る処方が現代に反映されるというのは、それだけ信頼されている臨床結果であると取ってもいいでしょう。

日本では江戸末期から明治まで活躍されていた村瀬豆洲(むらせ とうしゅう)氏も今で言う「発達障害」の研究や治療をされていたと考えられています。古くから続くもので精巧な臨床があるのが東洋医学の強みです。

鍼灸師 力石陽平