腎精(先天の精)を補う方法【食事】
- 作成者: chikaraishi
- カテゴリー: スキンタッチ・東洋医学診療
前回は、発達障害の原因は腎精(先天の精)の不足であり、
(先天の精)と言うのは、”精”の意味から、”両親から分け与えられた生命を動かす根源的なエネルギー”を意味しているという事でした。
そしてこの子供の成長の糧に使われるこの腎精(先天の精)は、初めから決められたもので量を増やすことができないのか言うとそうではありません。
腎精(先天の精)は、『節度ある飲食よって補うことができる』と中国古典には書かれてあります。
それに関連して、村瀬豆洲氏の著書「幼幼家則」に子どもの成長と飲食について触れてる記述があります。
それには子供を盆栽に見立ててこういう風に書いてあるんですね。
「盆栽を育てる際に、必要以上に肥料(現代でいう甘い物)を与えたり、水を与えることによってその盆栽の木は、枝ぶりが悪くなり、根が腐り、葉の付き方がまばらになることがある。反って野に自生している木の方がよく成長するものだ」
『過ぎたるは及ばざるがごとし』ということわざの通り、飲食の不摂生は子供の成長に非常に良くないことなんです。中庸が肝心です。
どんな飲食が子供にとって成長の過程を削いでしまっているのかというとそれは、『甘い物』です。
甘い物が腎精を損ねているということです。
身近な例だと、「甘いものを食べすぎると虫歯になる」とか「骨が溶ける」ということを知ってると思います。
腎精(先天の精)を納める腎は、腎主骨(腎は骨を主る)とあるように骨を支配している臓器なんですね。
「甘いものは骨を溶かす」ということで、やはり甘いものを摂ることによって腎精を損ねるということがうかがえます。
「甘いもの」を摂りすぎないことで腎精を消耗させないことの他に、今度は飲食によって『腎精を補う食べ物』をご紹介したいと思います。
腎精を補う食べ物として、
松の実・クコの実・くるみ・黒豆・えだまめ・黒米・黒キクラゲ・黒ゴマ・うなぎ・ししゃも・すっぽん・エビ・なまこ・牡蛎・貝柱・鯛・カモ肉・鶏肉・卵・鳥のレバー・豚肉… です。
食べることによって養生する注意点として、
「たくさん食べると多く補うことができる」というわけではありません。
少量を今の食卓に上手に取り入れるだけで十分です。
意識して接種していると、髪の毛の質感(太さや量、ツヤ)、身体の疲れ具合が間違いなく変わってきます。【そういった所に腎の精気は反映されています、注意して見られてください】
身体と言うのは精神を宿す器と東洋医学では考えますので、
食事による身体づくりは重要なポジションを備えていることを覚えておいていただけたらと思います。
鍼灸師 力石 陽平